技アニメの解説/様々な03処理編

基本編様々な02処理編を見た方を対象にして書いています

基本編でも書いていますが、基本的な動作の説明等は
改造ポケモン制作資料 Wiki さんの 技アニメーションスクリプト のページに載っています
資料Wikiのページを見つつ、この解説も見て頂くと理解しやすくなるかもしれません

様々な03処理編 03処理の中身を見てみよう

03処理は主に自分のポケモンや相手のポケモンを動かすことが多いです
その他にも様々な処理がありますが、02処理ほど覚えることは多くないです
03処理の種類を大まかに分けるとこうなります

上から順に説明していきます


自分のポケモンや相手のポケモンを動かす(揺らす、伸縮させる等)

揺らす方は基本編で紹介したので省き、伸縮させる方を紹介します
まずはおどろかすで相手が驚いた時の動きです
03 25850908 0205 0100 0400 0000 0500 0100
03 E1AC0A08 0300
上の方は相手が震える動きで、下の方が相手が驚いて伸びる動きです
驚いて伸びる動き(0AACE1)を読み込んだ後の数値が 0300 で、後に続く処理が存在しません
つまり相手が伸びる動きは数値による調整が出来ないことになります。伸びる幅とか速さとか何も調整できません…
こういった調整ができない03処理はある程度存在します。こればかりは仕方がないです
他に似たような03処理を挙げますと
03 4D090E08 0500
のみこむ で使用ポケモンが何かを飲み込む動きです

03 0D050E08 0500
まるくなる で使用ポケモンが3回縮んで戻る動きです

03 F9980A08 0200
03 65990A08 0200
あばれる で上の処理は使用ポケモンが3回縦に勢いをつけて伸びるもの、下の処理は大きく左右へ動くものです。この2つを並べて同時に処理することであの暴れている感じを出しているみたいです
これらは固有の動きを持っていて変更が効かないので、汎用性は低いと言えます
使用する場合は他の処理を上手く調整して合わせるくらいしか無さそうですね
あと0A~処理を挟んでいる時にこの伸縮させるような動きを入れると、伸縮前のポケモン画像が重なって表示されてしまうことがあります
おどろかす0A01例
驚きすぎて見切れた分身が出てきてますね…
もし画像と似たような現象が起きましたら0A~処理が無いか確認してください。どうしても0A~処理を入れたい場合は03処理の前に0B~処理を入れると改善されるかもしれません。自信は無いですが

ポケモンを動かす、という中でも使えそうで変わったものはこれでしょうか
03 C9670708 0202 0000 0D00
シャドーパンチ の使用ポケモンが黒い残像を残しながら移動する動きです
1番目で残像の色を決められます。例では黒の 0000 ですね
2番目も残像の色に関わっているみたいですが下手に変更しない方が良いです。なんかおかしくなりがちです
移動距離等は設定できませんが、残像の色を決められるのは面白いです
なおこちらは逆に0A~処理が無いと残像がガッツリ濃くて透けなくなってしまうので、通常は0A~処理を挟んだ方が良いです
影0A入り 影0A無し
左が0A~を入れた場合、右が0A~を入れていない場合
なんか03処理の話してるのか0A処理の話なのか分からなくなりそうですね…紛らわしくてすみませんが紛らわしくしたのは制作した公式側なので…(


自分のポケモンや相手のポケモンの色を変える

様々な02処理編で触れましたが、ポケモンの色を変える処理は03でもできます
色変更の02処理と同じように、色変更の開始処理と色変更の解除処理が実質セットになった03処理もありますが…
がまん を使うと使ったポケモンが短い間赤くなるような、1つの処理で一時的に色を変えて戻す動きができるものもあります
「03 9DAE0B08 0206 0200 0200 0200 0000 0B00 1F00」
がまんの赤くなる部分です
0206 の後ろに続いている数値1番目から解説してみます

1番目の 0200 は様々な02処理にも存在した、色変更の対象を決める数値です
0100 で背景、0200 で自分、0300 で相手以外、0400 で相手、といった指定が可能です
対象指定の種類が多めなので全部紹介はしませんが、数値を1ずつ増やしてどの対象が赤くなるか確認してみてください

2番目の 0200 は色変更02処理にも存在した、色が変更されるまでの経過時間です
数値を大きくするとゆっくりじわじわと色が変わって、小さくするとすぐに色の変更が反映されます
こちらは1つの処理で色変更開始と解除を行っているので、開始速度と解除速度は同じになります

3番目の 0200 は色を変更する回数と言いますか、点滅する回数と言った方が分かりやすいかもしれません
色を変えて元に戻る流れを1点滅と数えて、0400 にすると2回点滅、0600 にすると3回点滅、というように2毎に1回増えていきます
わざわざ同じ処理を並べて繰り返さなくてもここを変えるだけで何回も点滅させることができます

4番目の 0000 はよく分かりませんでした…
どんな数値にしても変化が起こっていないように見えます。下手に変更しないようにするしか無さそうです

5番目の 0B00 は色の濃さと点滅する時間です
どちらかというと色を濃くする設定をしたら濃くするまで時間がかかるようになるから実質少し長くなる、みたいなイメージです
設定できる色の濃さには限度があり、恐らく最大は 1000 までです。1100 以降にすると濃くしすぎて色が反転してしまいます

6番目の 1F00 は色変更02処理にも存在した、色の設定です
1F00は赤色になります。色の変更例は様々な02処理編に載せていますのでそちらを確認してください

一時的に変えるだけで良いならここで紹介した03処理を、長い間色を変えて任意のタイミングで元に戻したい時は02処理編で紹介した03処理を使うと良い感じに作れるのではないでしょうか


背景を動かす、背景の色を変える

背景の色を変えるのは上記の処理でできるので省き、背景を動かす方を説明します
背景を動かすというのはじしんのような全体的な揺れを表現する時、あとは背景画像を動かす時に使われます
とりあえず じしん(位置 1AE68D~) の中身を見てみましょう

03 75A70B08 0503 0500 0A00 3200
03 75A70B08 0503 0400 0A00 3200
19 E300 00
040A
02 80F03A08 0207 0100 0300 0100 0000 0E00 FF7F 0E00
0410
02 80F03A08 0207 0100 0300 0100 0000 0E00 FF7F 0E00
08

最初にある2つの03処理で背景と場にいるポケモンを大きく揺らして揺れを表現しています
ついでに02 80F03A08~の方は全体が一瞬白と黒に点滅する処理です。4番目と6番目が一瞬映る2色の設定なことだけでも覚えておけば使えると思います


「03 75A70B08 0503 0500(0400) 0A00 3200」
2つの違いは1番目の 0500 と 0400 のみです
つまりこの数値の差で背景の揺れと場にいるポケモンの揺れを分担していることになります
揺れる対象の指定が背景は 0500 で、場にいるポケモンが 0400 になる訳ですね

2番目の 0A00 は揺れる幅です
数値を小さくすると幅が小さくなり、大きくすると幅が大きくなります
幅によって揺れる時間にも影響します

3番目の 3200 は揺れる時間です
数値を小さくすると短く揺れ、大きくすると長く揺れます

以上のように背景も動かせることが分かりました
これが一番活かされているのは背景画像を表示した時ですね
ふぶき、ぎんいろのかぜ、ゴッドバード等で出てくる動くアレです
アレらは単体で出すだけだと動いておらず、03処理で背景を動かして完成するものなんです
ただ動く背景を紹介するには03処理以外にも色々書かないといけないくらい複雑で、今回の話から脱線するため例は出せないのですが…
03 EDCA0B08~ を使用しているので検索してみると動く背景が使われる技アニメの中身がヒットすると思います
背景を動かす処理と同時に背景を切り替えて、切り替えた背景を解除するのと同時に背景の動きを解除する処理を入れる形です


特殊な画像等で特殊な動かし方をする

画像の表示といえば02処理ですが、どうも特殊な動きをする画像は03処理で行っているようです
03処理で画像と動きが一緒になっている例をいくつか挙げます

03 4DC60A08 0201 0000
03 4DC60A08 0201 0100
上がなみのり、下がだくりゅう に入っている03処理です
これだけで大きな波が出てくるあの動きができますが、色の設定等はほぼできません
0201 に後に続く 0000 でなみのりの色、0100 以降でだくりゅうの色が出ます
03処理で指定されている場所の内容までは分からないし、分かったとしても色を変更する対象技やパレットを増やす等は無理な気がします
なのでこの動きを使って別の色の波を起こしたい場合はだくりゅうのパレットを変更し、技のだくりゅうは諦めるくらいしか無さそうです(配布技アニメでヘドロウェーブ作る時なみのりの色変えでいけると思ってたから出来なくて超悩んだ…)

03 F9340E08 0300
たまなげ の玉を相手へ投げるあの動きです。画像ID280Eを読み込む必要があります
調整できる上に何かを投げるような動きは他にも存在するのに、これは意外にも一切調整できません
最後の画像点滅部分あたりが独自の処理を必要としたのでしょうか…私には分かりません

03 897B0B08 0300
おんねん で炎が使用ポケモンの周囲を回る動きです。画像ID280Dを読み込む必要があります
もしこれが調整できたら汎用性ありそうだったんですがね…仕方ないですね

03 A9AF0A08 0500
メロメロのハートが描かれた背景…なんですが、これ背景用の処理(14等)じゃなくて03処理で表示されてるんです
いわば背景もどき、背景の顔をした特殊画像表示みたいなものです
表示される時間も決められていて変更できません
ゆっくり表示されるようにしたかったから?背景が入る時の黒いフェードインがメロメロの雰囲気に合わなかったから?…理由はともあれこう設定されているものはほぼ変更できないです

ポケモンを伸縮させる動きと同様に、これらも汎用性はかなり低いです
せっかく使いたい画像がこれらの独自性が強い03処理でしか使えないようなものだった時は、無理して使うか他の処理を調整して頑張るか諦めるかですかね…


その他

ふんか、しおふきのような特殊な動き+画像表示
だましうち、しんそくのような使用ポケモンが消える+現れる動きに他の処理も混ぜて完成するもの
単体で抽出しても特に何の動きも出てこないので何故入っているのか判断しにくいもの
そんな感じで分類しにくいものも色々あります
全部まとめてその他という分け方をしました。雑ですみません
特に例を挙げられそうなものが無いのでその他の説明は以上です



03処理の解説は以上です
02処理と合わせてこれらを覚えておけば相当理解が進む…と思いたいです
勿論技アニメによって例に挙げていない様々な数値があると思います。どれもまずは後に続く数値を調べてどんなことができるか把握するのが大事です
とはいえ03処理はどうしようもないものもちょこちょこありますが…
02処理と03処理よりも使用頻度が高くて単体で複雑な処理は無いので、基本編と様々な02処理編とここに書かれた内容を理解できたら資料Wikiの技アニメーションスクリプト一覧を見つつ色々できちゃうのではないでしょうか

まぁ単純な処理も積み重なっていって段々と意味分からなくなってくるんですけどね…